2017年05月11日

写真で紹介!「モノ・セックス・モード・ショウ」

6月分もあっという間に定員に達した弥生美術館の「モノ・セックス・モード・ショウ」。
観られなかった方のために、4月のショーの様子を写真を交えてご紹介いたします。
ちょっと長いですが、おつき合いくださいね。

  私が「モノセックス」を提唱してもう二十年以上になる。
  当時はフェミニズムもアンドロジニーもまだ言われなかったころだ。
  私は「女らしさ」と「男らしさ」に疑問をはさみ、男と女の違いよりは、
  人は個人差が大きいのだからと、人間の着る服にも男女の差は無用と、
  字引きにもないモノセックスなんて新造語をでっち上げたわけ…。
           
                   長沢節著『弱いから、好き』より

長沢節プロデュースの「モノ・セックス・モード・ショウ」は1964年10月末、
ワシントン靴店銀座本店のオープニング・イベントとして開催されました。
6階建てで大きなエレベーターを配した店舗は当時としては珍しく、鳴り物入りで
オープンしたのだそうです。ワシントン靴店の担当者がセツ好みのいい男だったため、
セツ先生、ホイホイ引き受けてしまったのだとかw。

第一回は靴だけのショーでしたが、1967年に開催された第二回では、靴に合わせて
衣裳も誂えました。靴はセツ先生、衣裳は浅賀政男先生によるデザイン。
今回の「モノ・セックス・モード・ショウ」では、第二回に使われた衣裳と靴をセツの
モデルが着て、当時のショーを忠実に再現しています。

*今回のショーに出演した「ホモ・ジュッピース」
ホモ・ジュッピース2017 -小.jpg

「ホモ・ジュッピース」とはモノ・セックス・モード・ショウの出演モデルたちの呼び名です。
セツ先生の造語で、フランス語の「ジュップ(スカート)」と「ヒッピー」をかけたもの。
当初のホモ・ジュッピースには、今や日本を代表する有名デザイナーやイラストレーターも!
1970年におこなわれたショーではステージの合間にモデル達が銀座の街を闊歩し、人々の度肝を
抜きました。
そして、…あっという間に警官に捕まってしまったそうですw。

「細くて弱いものこそ知的で美しい」というセツ先生の美学に則り、モデル達はみな、
実にスリムな体型です。また、このショーは2004年に弥生美術館でも開催されるなど、
過去に何度も繰り返し開催されてきましたが、「洋服に男女の差など必要ない」という
理念から、前回男性が着た衣裳を今回は女性が、ということもよくありました。

ここからは、森本美由紀のクロッキーモデル、ニッキーさんが着た衣裳を説明します。

*トラッドな印象のシャツ×ミニスカート
GreenL1.jpg

Green1b.jpg

ショーのオープニングで登場。
一見ワンピースのようですが、シャツとスカートに分かれていて、シャツは裾に3カ所
ボタンがあり、股の部分で留めるようになっています。
ワイシャツのルーツを辿ると、元はパンツを兼ねた下着。現在でもボディシャツがその
名残と言われていますが、ボタンを留めることで裾が浮かず、きれに着ることができます。
大腿部まで届くロングブーツは60年代後半、ミニスカートの流行とともに登場した
デザイン。後ろがやや短く、ファスナーがついています。履く度に膝の部分の細いベルトを
留めなければならず、着脱はちょっとタイヘンみたいです。

*カジュアルなプルオーバー
PantsL1.jpg

Pants1b.jpg

裾と袖がゆったりとしたAラインのプルオーバー。大きなセーラーカラーが印象的です。
キャンパス地に近いような厚手のコットン素材で、七分丈の細身のパンツに合わせています。
靴はつま先をカットしたスクエアトゥ。
そういえば、ショーに登場した靴は、すべてスクエアトゥでした。
セツ先生の大好きなくるぶしが見え隠れするデザインで、ソールはコルクでできています。

*ニット・ワンピース
YellowOPL1.jpg

yellowOP1b.jpg

軽やかな印象ですが、着るとずっしりとくるニットのワンピース。
大きめの金ボタンがアクセントになっています。
同素材のタイツ風レッグウォーマーにはスティラップ(足かけ)がついていて、
かかとに引っ掛けて履きます。
主役はあくまでも靴で、靴を見せるための洋服ということなので、黄色いサンダルに
ニットの色を合わせたのかもしれません。

*ロングドレス風ワンピース
BeigeDress1.jpg

最後は薄手のワンピースドレス。麻素材なのか、美しい光沢があります。
サイドはファスナーで開閉し、上から被って着用。
最近人気のローウエストに切り替えのあるワンピースも、60年代にはあまり見なかった
デザインかもしれません。フェミニンな着こなしが素敵ですが、こちらもセーラーカラー
なので、男性が着るとイメージがガラリと変わりそうです。
靴は黒紐のレースアップサンダルで、親指と人差し指の間にシルバーのデザイン金具の
ようなものがあり、そこに指を引っかけて履いています。


いかがでしたか?
少しでも雰囲気が伝わったらよいのですが…。
弥生美術館では60年代の「モノ・セックス・モード・ショウ」のパネルや、
一部衣裳と靴も展示しています。
6月分に間に合わなかった方も、ぜひ足を運んでいただけると嬉しいです。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html



posted by チロリン at 21:36| 弥生美術館・森本美由紀展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月19日

森本美由紀と山岸凉子

とはいっても森本さんと山岸凉子先生がお友達だったわけではなく、
森本さんが山岸作品のファンだったのです。

セツに入学したての夏、森本さんは同期のお友達とふたり、長野かどこかの
ペンションでバイトをしたことがありました。
バイトをふたり雇ったにもかかわらず「すンごく暇」だったそうで、
毎日なにをしていたかというと
「山岸凉子の『アラベスク』が全巻揃っていたので、夏中ず〜っと読んでいた」
のだそうでw。なんとも羨ましいバイト生活です。
私も山岸先生の大ファンなのですが、なぜか『アラベスク』は読んだことがなく
「だってバレエ漫画なんでしょ?」と言ったとたんに、
「いや、あれはただのバレエ漫画ではないのよ〜」と熱く語ってくれたのを覚えています。

山岸作品に描かれる人間の深層心理、正常と異常、現世とあの世の端境感。
独特なサイコホラーの妙は、他の追随を許さない気がします。
森本さんは、スプラッタはけっこう平気だけど、いわゆる「怪談」が超苦手で、
「私の前でオバケの話は絶対にしないでねッ」と早期に釘を刺されていましたw。
でも一度だけ「今まで読んだ漫画の中で、いちばん怖かった作品はどれか」
という話になり、これが二人揃って山岸作品の『汐の声』でした。
霊感少女として人気を集める女の子が、テレビの取材で他の霊能力者と共に
幽霊屋敷に潜入して…。と、こう書いてもあの怖さは絶対に伝わってこない〜。
とにかく私たちふたりが互いをちょっといじめたくなったときには
「あたし、なぜだかアレが怖い」とか「イヤッ、これ古い!」など
作品に登場する言葉をチラと耳元で囁くだけで涙目になるので、ときどき
使わせてもらっていましたw。

現在、弥生美術館では、そんな森本さんも大好きだった山岸凉子先生の
展覧会が開催されています。
『アラベスク』『日出処の天子』などの美しい原画が200点以上!
ぜひ足をお運びくださいね♪
今月末で作品が入れ替わるので、私も2回行こうと思っています。
詳細はコチラ。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html



posted by チロリン at 15:38| 弥生美術館・森本美由紀展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月26日

毎回かわいい!弥生美術館の限定ドリンク

弥生美術館で開催中の「オサムグッズ展」、もう行かれましたか?
森本美由紀の原点ともいうべき原田治先生が手掛けた数々のグッズや
貴重な原画に、ぜひ会いにきてください。
9月22日(祝・木)は100名様限定でサイン会が開かれますので、
特におススメ!
詳細は以下の通りです。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html

また、美術館にお出での際には、併設のカフェ「みなと屋」で、期間限定の
ミントチョコドリンクをぜひぜひ!!!
絵柄はジル、ジャック、キャット、ドッグの4種類。
誰と出会えるかはお楽しみ♪
オサム展メニュー印刷.jpg

tanuさんと私がオーダーしたときは、ジルとキャットでしたが、
つい全種類揃えたくて、その後保存会メンバーや友人たちでコンプリートしましたw。
ミント3.JPG

「オサムグッズ展」は9月25日まで。
オサムグッズ公式サイトにレセプションの様子がUPされています。参考までに〜♪

http://www.osamugoods.com/news/
posted by チロリン at 15:16| 弥生美術館・森本美由紀展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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