10月7日〜9日にかけて岡山のアトリエに出向き、作品の寄託作業をしてきました。
参加したのは、保存会からは私・井出千昌、『ファッションイラストレーションの描き方』の
編集を担当した村井たかこ、岡山在住のイラストレーター、森シホカ。
岡山県立美術館からは、主任学芸員の福冨 幸さん、岡美に橋渡しをしてくださった
イラストレーターの岡本ヒデヨさん他3名。
また、弥生美術館から目録本の編者である学芸員の内田静枝さんが同行してくださいました。
3日間をかけて整理・確認した作品の総数は3000点以上。そのほぼ全てが、無事に美術館に
納められました。
何しろ点数が多く、バリエーションも豊富な森本さんの作品群。
今後は県立美術館の併設展として年に1〜2回、「ファンシー系」「スタイル画」
「クロッキー」など、ジャンルごとに分けて随時展示をしてくださるとのこと。
初回は来年の桜の頃を予定しているそうです。
寄託作業の様子を、いくつか写真でご紹介しますね。
*過去の回顧展で展示されず、アトリエに残っていた作品は、井出と村井、内田さんで
初期作品、ペン画、スタイル画、カルチャー系、雑誌掲載分などに分け、もんじょ箱に収納。

*代表作はスタイル画といわれる森本さんですが、いちばん点数が多かったのは、4色の
ペン画でした。色指定を好まず、すべて自分で色づけをしていたので、どのカットもそのまま
ポストカードにできるほど素敵。

*完成品は一部を除き、アトリエで保管することに。これはマークスから発売された
スケジュール帳の一部。1点ずつ取り出してもんじょ箱に収め、残りは元の場所に
戻しました。

*お隣の部屋では岡美チームと保存会の森が過去の回顧展で使用したイラストなどを確認。
アトリエに残されていた作品もジャンル分けが終了次第、こちらの部屋へ。
仕分けが終わったものから1点ずつ写真を撮り、再度箱へ戻すという作業が延々続きました。

*資料もジャンル分けして収納。傷みの激しいものは、1冊ずつ薄紙で包んで保管しました。

*なかにはまったくの趣味で描いた仕事以外の作品も。
これは当時夢中だったネオGSバンド、ザ・ファントムギフトのライブ告知ポスター。
こんなのいつの間に描いてたんだ? レアすぎる〜。
岡崎京子さんと初めて会ったのも同バンドのライブだったし、おまけに私は後にベースの
サリー久保田と結婚し、結婚通知も森本さんに描いてもらったのでしたw。
このテの趣味モノもカルチャー箱へ収納。

*確認が終わった箱は紐で縛り、いったん廊下へ。
森本さんが仔猫の頃から可愛がっていたクロちゃんが見張り役w。

*何もかも片付けてしまうのではなく、森本さんの気配は極力残しました。
アトリエ奥にあるキッチンも、当時のまま。

*壁にかけられた小さなフォトフレーム。幼い頃の森本姉弟。

*ちょこっと飾った秋のアレコレ。キノコの小物とか、好きだったなァ。

寄託を終えて思ったのは、これで私がいつかこの世から消えてしまっても、森本さんの作品は
末永く展示され続けるだろうということ。
「森本美由紀 生誕100年」の展覧会とか、そんなこともあながち夢ではないのだと思うと、
なんだか不思議な気持ちです。。。
とにかく無事に寄託が済んで、まずはホッとしました。